ロート製薬株式会社の訪問時の会話キッカケ
「
何か、先週もいいことありましたか
北巽駅の近くには居酒屋はありますか
ご自宅は会社からお近くなのですか
」
google mapで地図をみる。
大阪メトロ千日前線の南巽駅
近鉄大阪線の今里駅
大阪メトロ千日前線の小路駅
2025年05月28月 11時
ロート製薬の美容科学メソッドから、ハリ・ツヤのある明日を導くコラーゲンド
2025年05月27月 11時
最先端のサイエンスで描くウェルビーイングな未来大阪・関西万博にて「ROH
2025年05月26月 11時
皮膚におけるビタミンCの新知見
2025年04月30月 14時
コラーゲン線維の効果的な形成には素材の添加タイミングが重要であることを確
2025年04月23月 11時
子どもたちの自分らしいアイデア実現に向けた探求「ファンディング」第3期生...
2024年12月2日 10時
ロート製薬「ヘリオホワイト®」で太陽と生きるあなたに飲む美容習慣 飯豊ま...
2021年3月2日 14時
毛髪の形成において重要なPlGF/VEGFR-1経路に着目
ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:杉本雅史)は、ロートグループ 総合経営ビジョン 2030「Connect for Well-being」の実現に向け、薄毛や脱毛など毛髪に悩む多くの人々に科学的根拠に基づいた解決策を提供するため研究を進めております。このたび、研究拠点であるロートリサーチビレッジ京都にて、毛髪成長に重要な役割を果たすPlGF(
Pl
acental
G
rowth
F
actor:胎盤増殖因子)の産生を促進する植物エキス(オウバク・チンピ)を発見いたしました。本研究成果を応用し、男性だけでなく女性や若年層の育毛剤の選択肢を広げる製品を開発していきます。
1.研究成果のポイント
◆ 毛髪の成長に関わるPlGF産生促進作用を持つ植物エキス(オウバク・チンピ)を発見
◆ 新しい科学的アプローチに基づく育毛剤開発への応用に期待
◆ ビタミン研究によって得られた知見を応用
2.研究背景
当社は性別や年齢に関わらず毛髪に悩みのあるお客様に寄り添うべく、長年にわたりヘアケア研究を進め、シャンプーなどの洗浄剤に留まらず、発毛剤や育毛剤など様々なアプローチで製品を世の中に送り出してきました。近年好調に推移している発毛・育毛剤市場ですが、成分や価格、効果など様々な要因から、悩みを持つ人が自由に製品を選べていないという現状があると考えました。今回、このような課題を解決するためにこれまでの研究結果から毛球部のPlGF/VEGFR-1経路(図1)に着目し毛乳頭細胞のPlGF産生促進について研究を進めることにしました。
図1 PlGF産生促進による毛髪成長機構
「PlGF (
Pl
acental
G
rowth
F
actor:胎盤増殖因子)」 とは?
毛包の底部にある髪の形成において重要な役割を担う毛乳頭細胞でつくられます。髪のもとになる毛母細胞に存在する受容体VEGFR-1に結合することで、毛母細胞の増殖を促進し、髪の成長をサポートする因子です。他の成長因子に比べ毛髪関連の報告が少ない因子ですが、当社はその可能性にいち早く注目しこれまで研究を進めてまいりました。
3.結果
植物エキスである「オウバク・チンピ」がPlGFの産生を促進した
自然界に存在する素材の数ある候補の中から、毛乳頭細胞に作用しPlGFの産生を促進する植物エキスの探索を行ったところ、オウバク・チンピにその作用があることを見出しました。ヒト頭髪毛乳頭細胞にオウバクエキスまたはチンピエキスを添加すると、添加していない細胞に比べてそれぞれ約2.1倍、2.2倍のPlGFを産生することを確認しました。(図2)
4.今後の展望
本研究成果により、植物エキスであるオウバク・チンピに毛髪成長に関与するPlGF産生効果があることが示されました。この技術は頭髪だけでなく睫毛などへの応用が期待されます。今後も、より多くのお客様の毛髪を健やかにしていけるような研究を続けてまいります。
ロート製薬のPlGFに着目した発育毛研究
様々な成分に着目して発育毛研究を進める中で、ビタミン類は頭皮用製品に広く使用されている一方で、その効果や働きに関する科学的データが限られていることがわかりました。当社が長年ビタミンCの肌に対する効果や成分の安定化などビタミンに関する研究を行ってきた背景から、この課題に着目し、ビタミン類が毛包を構成する細胞に与える影響を評価しました。
その結果、ビタミン誘導体3種類を組み合わせた「PPT処方※1」は、毛乳頭細胞からのPlGF産生を促進することでPlGF/VEGFR-1経路を活性化し、毛母細胞の増殖が促進され、毛幹伸長作用を示すことがわかりました。この成果は、ビタミンによる育毛効果を科学的に裏付けた報告として論文に掲載されました※2。
※1 PPT処方:ビタミン誘導体であるパントテニールエチルエーテル、ピリドキシン塩酸塩、トコフェロール酢酸エステルを組み合わせた処方
※2 この研究成果は、国際皮膚科学誌「Journal of Dermatological Science」にて、2022年に論文として掲載されました。Vitamins and their derivatives synergistically promote hair shaft elongation ex vivo via PlGF/VEGFR-1 signalling activation, Journal of Dermatological Science 108 (2022) 2-11
ロート製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:杉本雅史)は、ハリ・ツヤのある輝く毎日を目指したいお客様へ向け、「MOCOLA(モコラ)ダブルインパクショット(以下、モコラ)」を発売いたします。「モコラ」は、当社のこれまでの美容科学研究とサプリメント製剤開発のノウハウを活かした、コラーゲン等を配合した“ドリンク”とビタミンCを含むブーストMIXを配合した“粒”を組み合わせた美容サプリメントです。
株式会社マツキヨココカラ&カンパニー(本社:東京都文京区、代表取締役社長:松本清雄)と共同で、「モコラ」の魅力をより多くのお客様にお届けし、美容と健康に関する新たな価値提案を目指してまいります。
2025年5月29日(木)より順次、全国のマツモトキヨシグループ、ココカラファイングループの店舗(一部店舗を除く)およびマツキヨココカラオンラインストア、ロートオンラインストアにおいて、先行販売いたします。
■発売の背景
当社は、1899年に創業し、「胃活」という胃腸薬を開発・発売しました。それ以来、120年以上にわたり、時代ごとの変化を見つめながら、どのようにすればよりお客様の期待に応える製品をお届けすることができるのか、美容科学研究やサプリメントの製剤開発を進めてきました。
近年、美容への関心はますます高まっています。加齢によりコラーゲンの質や量は低下することがわかっており、理想の状態を求めて、外からケアするスキンケア商品のみならず、ドリンクやサプリメントなどでのインナーケアへの注目も集まっています。お客様のニーズとトレンドにこたえ、長年当社での美容領域の研究や開発技術を生かした「モコラ」が誕生しました。
■特長
1.美容科学メソッドに基づくタイムコントロール設計※1
速攻型※2の美しさの源となる成分を“ドリンク”に、じっくり溶け出る※2美容サポート成分を“粒”に含有し、組み合わせることで、成分ごとに溶ける時間をコントロールしました。
・ブーストMIX(粒)
「粒」には特許出願済み成分、“ブーストMIX”を配合しています。
・ドリンク
速攻型※2の美しさの源である、コラーゲン、ロート独自成分であるコラプラス等を配合したドリンクです。
ピーチ&アセロラ味を採用し、飲みやすさにもこだわりました。
※1 特許出願済み
※2 製剤特性のこと
2.液と粒の入る一体型容器
粒とドリンクを一体型の容器におさめた、1日1本と1粒(目安)に手軽に続けやすい形状です。
■
商品概要
これからも、健康的な美しさを目指してサイエンスの無限の可能性を追求し、お客様に喜んでいただける製品づくりに徹底してこだわってまいります。想像を超える感動をお届けすることで、ウェルビーイングな毎日が広がるよう、よりよい商品をご提案していまいります。
●「Collaplus\コラプラス」はロート製薬株式会社の登録商標です。
■ロート製薬株式会社
https://www.rohto.co.jp/
ロート製薬株式会社は、大阪・関西万博 「大阪ヘルスケアパビリオン」のスーパープレミアムパートナーです。
~見て、触れて、感じる、五感でひも解く3日間~
ロート製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:杉本雅史)は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の、大阪府・市・2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会が出展する「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn(以下、大阪ヘルスケアパビリオン)」において、「再生医療」と「アイケア」の2つの領域から、新しい未来の体験展示を提供しています。この度、同パビリオン内イベント会場にて3日間限定イベント「ROHTO Healthcare DAY~Feel Science & Passion~」を開催します。本イベントでは、当社が目指すウェルビーイングな未来とともに、「今日からできること」を提案し、来場者が五感を通じて体感できる多彩なコンテンツをご用意しています。
■ROHTO Healthcare DAYとは
「ROHTO Healthcare DAY」は、ウェルビーイングな世界を目指す想いを具現化した体験型展示です。ここでは、アイケアや再生医療といった常設ブースの展示内容にとどまらず、「スキンケア・UVケア」「アイケア」「アグリ・フード」など多岐にわたる事業の展示を通じて、「今日からできること」を通じ、皆さんが健康に向き合うはじめの一歩の後押しする機会をつくりたいと考えています。また、近未来に実現可能だと予測される新技術の体験を通じて、未来への希望も表現されています。
また、万博のテーマ「REBORN」に関連したタッチアップ体験、展示、技術発信を通じて、当社が描く未来を体感していただけます。単なる技術展示にとどまらず、五感に響き、ココロを揺さぶる体験を通じて、来場者一人ひとりにとって特別な思い出となる場所を目指します。
■展示概要と特長
「スキンケア・UVケア」「アイケア」「アグリ・フード」の3つの軸での体験展示を行います。
1.スキンケア・UVケア
実際にUVケアを可視化する体験を通じて、日々のスキンケアの大切さをお伝えします。最新の日焼け止め製剤のタッチアップや、肌やUVケアの基礎情報に触れていただけます。
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UVカメラによる日焼け止めの効果可視化体験
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EXPO特別デザインのUVシール配布
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日焼け止め製剤のタッチアップ体験
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最新のUVケア学術情報の発信
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EXITりんたろー。さん、CRAZY COCOさんの「肌とスキンケアのミライを考える」トークショー
▲UVカメラによる効果の可視化体験(イメージ図)
▲EXITりんたろー。さん
▲CRAZY COCOさん
2.アイケア
大阪ヘルスケアパビリオン内、アイケアブースで展示している「ミライのアイケア」の事例についてご紹介します。実際に機器を用いたデモンストレーションを行い、新技術を体験いただけます。
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VRプログラムによる子どもの弱視を改善する技術の紹介(InnoJin社提供)
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目からメンタルヘルスをチェックする先進技術の紹介(ニューラルポート社提供)
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”世界こどもの目の日”にあわせた啓発トークショー
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専門家によるトークショー
3.アグリ・フード
久米島で展開する藻類事業より、持続可能な原料として可能性をもつ藻類を用いた青いソーダの販売を行います。
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久米島事業から生まれた藻と大阪の素材を活用したソーダの販売(数量限定)
4.デジタルヒューマン「NEOココロ」のステージ演出
当社のVtuberである根羽清ココロをデジタルヒューマン化した「NEOココロ」が登場。サイネージ型モニターを使用し、アイケアやスキンケアに関する専門性の高い知識をお客様に提供します。英語や中国語にも対応しています。
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ロート製薬公式YouTuber「根羽清ココロ」プロフィール
スキンケア製品開発部兼広報・CSV推進部に所属し、複業で当社の公式YouTuberとしての活動を2018年6月10日「ロートの日」より開始。デビュー後、これまで660本を越える動画を公開し、2024年10月10日「目の愛護デー」には自身3曲目となるオリジナル曲『うるるんハート宣言』も公開し、各プラットフォーム合計で約70万回再生を突破。(https://youtu.be/614qC1Fb69g)YouTube登録者数は4.64万人(2025年5月現在)
■イベント詳細
日時:2025年6月9日(月)~11日(水)11:00~18:00
場所:大阪ヘルスケアパビリオン前 リボーンステージ
申込方法:不要
参加方法:申込不要、当日参加可能
※コンテンツ内容は変更になる可能性がございます。日によってコンテンツは異なります。
(公社)大阪ヘルスケアパビリオン
■各種詳細はこちら
・当社関西・大阪万博専用サイト
https://www.rohto.co.jp/expo2025/
・当社展示ブース広報動画
https://youtu.be/JLGjISDJ9sY
■ロート製薬株式会社
https://www.rohto.co.jp/
ロート製薬株式会社は、大阪・関西万博 「大阪ヘルスケアパビリオン」のスーパープレミアムパートナーです。
-DNA脱メチル化を介した表皮角化細胞増殖メカニズムを解明-
ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:杉本雅史)は、ロートグループ 総合経営ビジョン 2030 である「 Connect for Well-being 」 の実現に向けて、ビタミンCの生体内の機能解明に向けた研究をすすめています。今回、東京都健康長寿医療センター研究所の石神昭人副所長、佐藤綾美研究員(現:東洋大学准教授)と北陸大学薬学部の佐藤安訓准教授との共同研究にて、ビタミンC(L-アスコルビン酸)がDNAの脱メチル化を介して表皮の細胞増殖を促進し、表皮の厚みを増加させる新たなメカニズムを明らかにしました。
本研究内容は皮膚科学において権威のある米国研究皮膚科学会誌「Journal of Investigative Dermatology」(2025年4月20日付)に掲載されました。
1.研究成果のポイント
◆ ビタミンCが表皮角化細胞の増殖を促進し、表皮細胞層の厚みに寄与することを確認
◆ ビタミンCは細胞増殖に関連する遺伝子のDNA脱メチル化※1を介して、表皮角化細胞の増殖を促進することを発見
◆ 皮膚におけるビタミンCの役割に「エピジェネティクス制御による細胞増殖」が加わり、肌老化への新たな介入法となる可能性を示唆
エピジェネティクスとは
エピジェネティクスは、DNAの並び(配列)を変えずに、どの遺伝子が働くかを制御する仕組みです。細胞はこの仕組みを使って、自らの性質を維持したり、環境に応じて柔軟に応答したりしています。近年では老化や疾患にも深く関わることがわかってきています。
2.研究の背景
ビタミンC(L-アスコルビン酸)は、抗酸化作用やコラーゲン合成促進(引用文献1)、紫外線によるダメージ軽減といった機能で広く知られ(引用文献2)、スキンケア製品に幅広く利用されてきました。特に表皮においては、紫外線や環境ストレスから細胞を守る働きを持ち、血液中よりも高濃度に蓄積されることが知られています(引用文献3,4)。これは、ビタミンCが肌の恒常性維持において重要な役割を果たしていることを示唆しています。
近年では、ビタミンCがDNA脱メチル化酵素(TET: Ten-eleven
translocation)の補因子として働くことが報告されており、幹細胞の初期化やがん研究など、様々な分野で注目されています(引用文献 5)。一方で、ヒト表皮角化細胞におけるビタミンCのエピジェネティックな役割は、これまでほとんど明らかにされていませんでした。
そこで本研究では、ヒト三次元培養表皮モデルと網羅的な解析技術を用いて、ビタミンCが表皮角化細胞にどのような影響を与えるのか、さらにその背景にあるエピジェネティックな変化がどのように関与しているのかを明らかにすることを目的としました。
3.結果
ヒトの表皮を模したヒト三次元培養表皮モデルを構築し、表皮角化細胞におけるビタミンCのエピジェネティック制御に関する役割を調べました。その結果、細胞にビタミンCが取り込まれると、表皮の厚み、細胞の増殖、およびDNA脱メチル化の指標である5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmc)が増加しました。(図1)また、この効果はDNA脱メチル化酵素の阻害剤により減弱しました。(図2) 以上の結果により、ビタミンCがTET依存的にDNA脱メチル化を促進していることが明らかになりました。
さらに、ビタミンCがどのように遺伝子を制御しているかを調べるため、マイクロアレイ解析※2および全ゲノムバイサルファイトシーケンス(WGBS: Whole-genome bisulfite sequencing)解析※3を行いました。その結果、細胞増殖に関連する12遺伝子の発現がビタミンCにより増加することがわかりました。
4.考察
本研究により、ビタミンCがTET酵素を介してDNAの脱メチル化を促進し、それにより表皮細胞の増殖や表皮構造の厚みを増加させることが考えられます。さらに、増殖関連遺伝子の脱メチル化と発現促進が示されたことから、エピジェネティクスの観点からも表皮におけるビタミンCの新たな意義が見出されました。ビタミンCがもつ抗酸化作用にとどまらず、新たに“エピジェネティック制御”という生体内で起こりうる機能に注目したものであり、肌の老化やバリア機能の低下といった課題への根本的なアプローチに繋がる可能性があります。
5.本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)
本研究は、エピジェネティクスという可逆的な遺伝子制御メカニズムを介して、ビタミンCが表皮に与える影響を包括的に示しました。エピジェネティックな変化は、皮膚に存在する多様な細胞の運命を時空間的に制御しており、可逆的であることから、加齢に伴う細胞機能の変化を再構築する手段として注目されています。本研究により、ビタミンCによるエピジェネティック制御を活用した臨床応用やスキンケアへの新たな戦略の可能性が示唆され、生活の質(QOL)の改善とともに、心身ともに健康で豊かな健康長寿社会の実現に貢献すると期待できます。
特記事項
本研究成果は、2025年4月20日に米国科学誌「Journal of Investigative Dermatology」(電子版)に掲載されました。
タイトル:
Vitamin C promotes epidermal proliferation by promoting DNA demethylation of proliferation-related genes in human epidermal equivalents
著者名:Yasunori Sato, Ayami Sato, Florence, Akari Kuwano, Yasunari Sato, Tsuyoshi Ishii, Akihito Ishigami 他
なお、本研究はJSPS科研費 19K05902の助成を受けて行われ、東京都健康長寿医療センター研究所の石神昭人副所長、佐藤綾美研究員(現:東洋大学准教授)、北陸大学の佐藤安訓准教授の協力を得て行われました。
引用文献
1. Masaki H. Role of antioxidants in the skin: Anti-aging effects. J Dermatol Sci 2010;58(2):85-90.
2. Kawashima S, Funakoshi T, Sato Y, Saito N, Ohsawa H, Kurita K, et al. Protective effect of pre- and post-vitamin C treatments on UVB-irradiation-induced skin damage. Sci Rep 2018;8(1):16199.
3. Padayatty SJ, Sun H, Wang Y, Riordan HD, Hewitt SM, Katz A, et al. Vitamin C pharmacokinetics: implications for oral and intravenous use. Ann Intern Med 2004;140(7):533-7.
4. Pullar JM, Carr AC, Vissers MCM. The roles of vitamin C in skin health. Nutrients 2017;9(8).
5. Lee Chong T, Ahearn EL, Cimmino L. Reprogramming the epigenome with vitamin C. Front Cell Dev Biol 2019;7:128.
■用語説明
※1 DNA脱メチル化
DNAの塩基のひとつである「シトシン」に付加されたメチル基(CH₃基)が取り除かれることで、遺伝子の働き(転写)が促進されやすくなる変化を指す。通常、メチル化されたシトシンは
5-メチルシトシン(5-mC)と呼ばれ、これは遺伝子を“オフ”の状態に保つ役割を持つ。
ビタミンCなどの働きにより、この5-mCがTET酵素
によって
5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmC)に変換されることで、メチル化が解除(脱メチル化)され、遺伝子が再び“オン”になる準備が整う。
このように、5-hmCはDNA脱メチル化のマーカー
としても知られている。
※2 マイクロアレイ解析
数千~数万の遺伝子の発現量を同時に測定できる解析手法。遺伝子発現の増減を網羅的に調べることで、特定の処理(例:ビタミンC添加)が細胞に与える影響を可視化できる。
※3 WGBS解析(Whole Genome Bisulfite Sequencing)
DNA全体のメチル化状態を塩基レベルで網羅的に解析する手法。ビスルファイト処理によりメチル化されたサイトを識別し、ゲノム全体のメチル化パターンを可視化する。
―ヒト真皮線維芽細胞の力を最大化する線維形成促進技術の可能性―
ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:杉本雅史)は、ロートグループ 総合経営ビジョン 2030 である「Connect for Well-being」 の実現に向けて、健やかで美しい肌を支えるコラーゲンの研究に力を入れています。
コラーゲンペプチドやビタミンCは広く美容内服製品に使用されています。また、これらの素材がヒト真皮線維芽細胞(以下、線維芽細胞)でのコラーゲン産生に影響を与えることは知られています。しかし、素材の組み合わせや摂取タイミングに関する知見は十分に明らかになっていません。このたび当社は、素材の添加タイミングがコラーゲン線維(※1)の形成に影響を与えることを明らかにし、その研究成果を日本薬学会第145年会(2025年3月28日付)にて発表しました。
本研究では、線維芽細胞のコラーゲン線維形成プロセス(※2)に合わせて、素材を適切なタイミングで添加することで、細胞本来の力を引き出し、コラーゲン線維の生成量を大幅に向上させることを確認しました。これにより、肌が自らハリを生み出す力の強化が期待され、新たな剤形の開発にもつながる可能性があります。
1.
研究成果のポイント
◆コラーゲン線維形成のプロセスに着目して、段階に作用する成分に分けて試験設計。
◆添加タイミングを考慮することでより高いコラーゲン線維形成効果を確認。
2.研究の背景
加齢や紫外線などにより、肌のコラーゲン線維量は年齢とともに減少し、線維芽細胞の活性も20代から低下すると言われています(引用文献1)。こうした背景から、コラーゲンペプチドやビタミンC、ミネラルといった成分が美容目的で活用されてきましたが、これらの成分が線維芽細胞にどのように届いて、コラーゲン産生能および線維形成能を高めるかについては、最適な組み合わせや効果的な活用法を含めて、いまだ十分な知見が蓄積されていません。
本研究では、コラーゲンを増やすだけでなく、肌の土台となる「コラーゲン線維」としてしっかりと組み上げることにも目を向けました。線維芽細胞の「コラーゲン線維形成プロセス」に着目し、肌のハリに直接寄与するコラーゲン線維を効果的に形成するために、適切な素材の組み合わせおよびそれらの添加タイミングについて検討しました。
今回、アミノ酸・ペプチド(以下、CompA)と、ビタミンC、ミネラルなどを含む成分(以下、CompB)を設計しました。これらを線維芽細胞に対して同時あるいは時間差(前後添加:CompAを添加して2時間後にCompBを添加)に分けて添加する影響を、プロコラーゲン(※3)産生量およびコラーゲン線維量の2つの指標で比較評価しました。
3.結果
1 CompAとCompBの組み合わせは、最も高いプロコラーゲン産生能を示した
線維芽細胞におけるCompA、ビタミンC、CompB、AB同時添加、AB前後添加によるコラーゲン産生能を、培養上清中のプロコラーゲン量を指標に比較しました。
その結果、ビタミンC単独と比較して、ビタミンCとミネラルなどを含むCompBはプロコラーゲンの産生を有意に促進しました。さらに、CompAとCompBを同時に添加した条件(AB同時添加)では最も高いプロコラーゲン産生量が確認されました(図1)。
図1 プロコラーゲン産生量の比較
<試験方法>
素材の溶解度並びに細胞毒性、細胞形態への影響を考慮し、素材の濃度を設定しました。CompA:5%低分子フィッシュコラーゲン+0.01%加水分解大豆ペプチド;CompB:0.1%リン酸L-アスコルビルマグネシウム+0.002%ピロリン酸第二鉄+0.001%ヘルシャスZn +20%ユーグレナグラシリスEX45(株式会社ユーグレナ);Blank: 素材が含まれない基礎培地(1%FBSを含むDMEM);Vc:0.1% リン酸L-アスコルビルマグネシウム
線維芽細胞に各素材を溶解した培地を添加し、7日間培養しました。AB前後添加群では、CompAを添加後、2時間培養したのち上清を除去し、CompBを添加しました。培養終了後、培養上清を回収し、 Pro-Collagen Iα1(#DY6220-05, R&D Systems社) のELISAキットを用いて定量解析を実施しました。
(Tukey-Kramer (n=3), p<0.05*, p<0.01**, p<0.001***)
(ロート製薬研究所で実施)
2 素材添加の順序によって線維形成能に違いが現れることを確認
本研究では、プロコラーゲン産生能に加え、肌のハリに直接的に関与するコラーゲン線維量についても、免疫蛍光染色法を用いて評価しました(図2)。
その結果、CompBはビタミンCと比較してより多くのコラーゲン線維が形成され、ミネラル成分が線維形成促進に寄与することが示されました。また、CompA単独では線維形成はほとんど認められませんでしたが、CompBとの前後添加により、線維形成が大きく促進される相乗効果が確認されました。一方、同時添加した場合は、1の結果よりプロコラーゲンの産生は確認されたものの、成熟した線維構造の形成効果は低い傾向が見られました。
図2コラーゲン線維量の比較
<試験方法>
上記の方法と同様に試験を行いました。培養終了後、抗コラーゲンI抗体を用いた免疫蛍光染色を実施し、線維形成能評価を行いました。赤:コラーゲンI(一次抗体:抗コラーゲンI抗体, 二次抗体:Alexa546標識抗体)青:細胞核(DAPI染色)(図2-A)。蛍光顕微鏡を用いてコラーゲン線維を観察し、ウェル当たりの線維面積を定量解析しました。(図2-B)
(Tukey-Kramer (n=3), p<0.05*, p<0.01**, p<0.001***)
(ロート製薬研究所で実施)
4.考察
以上の結果から、成分を単に細胞に添加するだけではなく、そのタイミングが線維形成に重要であることが示唆されました。プロコラーゲン産生については、CompAとCompBを同時に添加した条件で最も高い効果が得られました。これに対して、コラーゲン線維形成では、CompAとCompBを時間差で添加(前後添加)した条件で最大の効果が認められました。
CompAに含まれるアミノ酸やペプチドは、プロコラーゲン合成に必要な材料を供給し、CompBに含まれるビタミンCやミネラルは、線維形成に関与する酵素の働きをサポートしていると推察しています。
すなわち、前後添加によって細胞が段階的にプロコラーゲンを合成・分泌し、効果的に線維へと組み立てられるプロセスを経たのではないかと考察しています。これは、生体内でのコラーゲン線維形成のプロセスを模倣することで、細胞本来の機能を最大限に引き出せる可能性を示唆しています。
5.本研究成果の意義
本研究により、成分の作用タイミングを考慮することで、コラーゲン線維形成効果を高める可能性が示唆されました。特に、単にコラーゲン産生量を増やすのではなく、肌の構造を実際に支える「コラーゲン線維」をいかに効果的に形成できるかという点は肌の健康に対する新たなアプローチに繋がる可能性が考えられます。今後もより高い機能性を持つ製品開発に向けた研究を進めてまいります。
引用文献
1. Reilly DM, et al. Skin collagen through the life stages: importance for skin health and beauty. Plast Aesthet Res. 2021;8:2. doi:10.20517/2347-9264.2020.153.
用語説明
※1 コラーゲン線維
:皮膚や腱などの組織を支える主要な構造タンパク質で、組織の強度や弾力性を維持する役割を担います。三重らせん構造を持つトロポコラーゲン※4が細胞外で集合・架橋され、強靭な線維構造を形成します。
※2 コラーゲン線維形成プロセス(図3)
:細胞内ではアミノ酸やペプチドを利用して、酵素(ヒドロキシラーゼ等)の働きによりプロコラーゲンを合成します。プロコラーゲンは細胞外に分泌され、不要な末端部分が切断されてトロポコラーゲンとなり、さらに架橋反応を経てコラーゲン線維へと成熟します。これらの過程には、ビタミンC、鉄、亜鉛などが酵素の補因子・活性化因子として関与します。
※3 プロコラーゲン
:細胞内で合成されるコラーゲンの前駆体。修飾を受けた後、細胞外へ分泌され、線維形成の素材となります。
※4 トロポコラーゲン
:プロコラーゲンから末端を除去した基本単位で、3本のポリペプチド鎖が三重らせんを構成し、コラーゲン線維の基礎構造となります。
図3 コラーゲン線維形成プロセス
■ロート製薬株式会社
https://www.rohto.co.jp/
ロート製薬株式会社は、大阪・関西万博 「大阪ヘルスケアパビリオン」のスーパープレミアムパートナーです。
ロート製薬株式会社の情報
大阪府大阪市生野区巽西1丁目8番1号
住所
〒544-0012 大阪府大阪市生野区巽西1丁目8番1号
創業年
明治32年
推定社員数
1001~5000人
代表
代表取締役社長 杉本雅史
事業概要
従来の医薬品や医薬部外品化粧品・機能性食品などの製造販売業に加え、健康の基本である食やサービスなど日常のライフスタイルから医療など先端のライフサイエンスまで、関連するあらゆる分野を統合した「統合ヘルスアンドビューティーケア」を目指す
資本金
64億4,600万円
企業ホームページ
認定及び受賞
厚生労働省より『両立支援のひろば 一般事業主行動計画公表』
厚生労働省より『女性の活躍推進企業』
厚生労働省より2007年部門で『次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん」認定』
厚生労働省より2007部門で『次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん」認定』
厚生労働省より2015部門で『健康経営銘柄-認定』
周辺のお天気
周辺の駅
4駅大阪メトロ千日前線の北巽駅
地域の企業
特許
2021年03月01日に『洗浄用組成物』を出願
2017年06月22日に『眼科組成物』を出願
2018年09月10日に『アンチエージング効果評価方法及びアンチエージング物質スクリーニング方法』を出願
2018年09月10日に『若年女性の体臭モデル組成物及び加齢臭判定用指標剤』を出願
2018年05月15日に『食品用組成物』を出願
2020年01月31日に『皮膚外用組成物』を出願
2016年03月22日に『吸引器具』を出願
2016年02月18日に『内服組成物』を出願
2015年12月11日に『局所粘膜適用水性組成物』を出願
2015年07月02日に『局所粘膜用水性組成物』を出願
2018年09月10日に『若年女性臭補充用の組成物』を出願
法人番号
6120001019253
法人処理区分
新規
プレスリリース
毛髪の成長をサポートする植物エキスを発見
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2025年05月28月 11時
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ロート製薬の美容科学メソッドから、ハリ・ツヤのある明日を導くコラーゲンドリンク『MOCOLA(モコラ)』誕生
2025年05月27月 11時
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最先端のサイエンスで描くウェルビーイングな未来大阪・関西万博にて「ROHTO Healthcare DAY~Feel Science & Passion~」開催決定!
2025年05月26月 11時
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皮膚におけるビタミンCの新知見
2025年04月30月 14時
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コラーゲン線維の効果的な形成には素材の添加タイミングが重要であることを確認
2025年04月23月 11時
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子どもたちの自分らしいアイデア実現に向けた探求「ファンディング」第3期生の子どもたち5人と支援内容が決定
2024年12月2日 10時
ロートこどもみらい財団(所在地:東京都港区、代表理事:荒木健史、以下、本財団)は、自分らしさを発見・探究し、未来社会を創る子どもたちのアイデアの実現に向けた研究や調査を応援するため、助成金やメンタリング等の支援を行う取り組み「ファンディング」(以下、本プログラム)の第3期生となる子どもたちと研究・企画が決定しましたのでご報告いたします。
ロート製薬「ヘリオホワイト®」で太陽と生きるあなたに飲む美容習慣 飯豊まりえさんが日々の美容でキープする透明感のある美しい素肌を披露!新WEB CM公開!!
2021年3月2日 14時
ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:杉本雅史)は、飯豊まりえさんとayaさんを起用した、美容補助食品「ヘリオホワイト® 」の新WEB CMをWEBサイト(https://jp.rohto.com/heliowhite/)にて公開しています。