株式会社理研ジェネシスの情報

東京都品川区大崎1丁目2番2号

株式会社理研ジェネシスについてですが、推定社員数は51~100人になります。所在地は品川区大崎1丁目2番2号になり、近くの駅は大崎駅。株式会社VERTEX SPORTSが近くにあります。特許については2016年04月14日に『遺伝子変異の検出方法』を出願しています。また、法人番号については「9010501027061」になります。
株式会社理研ジェネシスに行くときに、お時間があれば「久米美術館」に立ち寄るのもいいかもしれません。


法人名フリガナ
リケンジェネシス
住所
〒141-0032 東京都品川区大崎1丁目2番2号
google map
推定社員数
51~100人
周辺のお天気
周辺の駅
4駅
JR東日本山手線の大崎駅
りんかい線の大崎駅
東急池上線の五反田駅
JR東日本山手線の五反田駅
地域の企業
3社
株式会社VERTEX SPORTS
品川区大崎2丁目11番2-1503号
コードキャンプ株式会社
品川区大崎2丁目1-1
株式会社MIC
品川区大崎2丁目9-2大崎ウエストシティタワーズW棟1515
地域の観光施設
3箇所
久米美術館
品川区上大崎2-25-5久米ビル8F
自転車文化センター
品川区上大崎3-3-1 自転車総合ビル1階
品川区立五反田文化センタープラネタリウム
品川区西五反田6-5-1
地域の図書館
2箇所
品川区立五反田図書館
品川区西五反田6丁目5-1
品川区立大崎図書館
品川区北品川5-2-1
特許
2016年04月14日に『遺伝子変異の検出方法』を出願
2016年06月08日に『遺伝子情報分析装置、遺伝子情報分析方法、遺伝子情報分析プログラムおよび記録媒体』を出願
2015年08月27日に『核酸増幅基板、該基板を用いた核酸増幅方法、及び核酸検出キット』を出願
2015年07月28日に『変異判定方法、変異判定プログラムおよび記録媒体』を出願
2013年09月27日に『BNAクランプ法』を出願
法人番号
9010501027061
法人処理区分
吸収合併
法人更新年月日
2021/01/19
法人変更事由の詳細
令和3年1月1日大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7-20株式会社BNA(1120901016767)を合併

「OncoGuide(TM) EpiLight(TM)メチル化検出キット」の保険適用および製品発売に関するお知らせ
2025年06月02月 15時
「OncoGuide(TM) EpiLight(TM)メチル化検出キット」の保険適用および製品発売に関するお知らせ




株式会社理研ジェネシス(本社:東京都品川区、代表取締役社長:大井 優子)は、体外診断用医薬品「

OncoGuide(TM) EpiLight(TM)メチル化検出キット

」(以下、「本製品」)の2025年6月1日の保険適用を受けて、日本国内で本製品の発売を開始いたします。




本製品は、東北大学と共同開発した、がん組織のDNAメチル化※1状態を検出することで、結腸・直腸癌における治療薬の選択の補助に用いることができる、リアルタイムPCR法を原理とした世界で最初の体外診断用医薬品です。
検体から抽出したDNAをバイサルファイト変換処理※2し、ゲノムワイドなDNAメチル化状態を反映する16領域のDNAメチル化状態を検出することで(下図・左)、高メチル(High methylated colorectal cancer;HMCC)または低メチル(Low methylated colorectal cancer;LMCC)を判定します(下図・右)。




OncoGuide(TM) EpiLight(TM)メチル化検出キット測定フロー




OncoGuide(TM) EpiLight(TM)メチル化検出キット判定フロー
現在、切除不能な進行再発結腸・直腸がんの1次治療選択に際し、
RAS
遺伝子、
BRAF
遺伝子及びマイクロサテライト不安定性(MSI/MMR)検査の実施が大腸がん治療ガイドラインで推奨されています。
RAS
遺伝子変異は抗EGFR抗体薬に抵抗性を示すため、抗EGFR抗体薬は
RAS
遺伝子に変異を認めない(野生型)患者さんに対して使用が推奨されています。また近年では、原発巣占居部位を併せて考慮した薬物療法の選択が推奨されています。例えば、
RAS
遺伝子野生型で原発巣占居部位が右側の場合、抗EGFR抗体薬以外の治療法の適用が推奨されています[1]。
これまでの本製品に関連する臨床研究により、DNAメチル化状態によって抗EGFR抗体薬の治療効果予測バイオマーカーとしての臨床的有用性[2-8]が評価され、このたび日本で保険適用となりました。
理研ジェネシスは、患者さんに有用となる検査法を一日も早くお届けすることで、精密医療の拡大を推進していきます。




OncoGuide(TM) EpiLight(TM)メチル化検出キット製品概要
【謝辞】
本製品の開発にあたり、多大なるご協力を賜りました患者さま、石岡千加史先生(東北大学病院腫瘍内科・客員教授、JR 仙台病院・院長)、大内康太先生(東北大学大学院医学系研究科・医学部 臨床腫瘍学分野 助教)はじめ東北大学関係者の皆様、臨床開発にご協力いただきました皆様に心より御礼申し上げます。
【注釈】
※1 DNAメチル化
DNAメチル化は、DNMTs(DNA methyltransferase)による、5'-シトシンへのメチル基の付加によって引き起こされる化学的修飾であり、CpG(CGジヌクレオチド配列)領域に作用する。腫瘍組織におけるDNAメチル化は、主に遺伝子のプロモーター領域のCpGアイランドに生じ、転写を負に抑制することで遺伝子の発現を抑制させると考えられている。
※2 バイサルファイト変換処理
バイサルファイト(亜硫酸水素塩)処理により、DNA中のメチル化されていないシトシンが脱アミノ化されてウラシルに変換されるのに対し、メチル化シトシンは変換されないため、本処理により、メチル化シトシンと非メチル化シトシンの区別が可能。目的のDNA領域をPCR法で増幅する際、ウラシルはチミンに、メチル化シトシンはシトシンとして増幅される。この過程により、1塩基単位の分解能でDNAメチル化状態を解析することが可能となるため、病気の診断や治療法の開発、細胞生物学的研究において非常に重要なツールとなっている。
【参考文献】
1.
大腸癌治療ガイドライン医師用2024年度版 大腸癌研究会編
2.
Ouchi K, et al. DNA methylation status as a biomarker of anti-epidermal growth factor receptor treatment for metastatic colorectal cancer. Cancer Sci; 106(12): 1722-9, 2015 PMID: 35612620
3.
Okita A, et al. Consensus molecular subtypes classification of colorectal cancer as a predictive factor for chemotherapeutic efficacy against metastatic colorectal cancer. Oncotarget; 9(27)18698-18711, 2018 PMID: 29721154
4.
Osumi H, et al. Effect of DNA methylation status on first‑line anti‑epidermal growth factor receptor treatment in patients with metastatic colorectal cancer. Int J Colorectal Dis; 37: 1439-1447 2022 PMID: 35612620
5.
Ouchi K, et al. A modified MethyLight assay predicts the clinical outcomes of anti-epidermal growth factor receptor treatment in metastatic colorectal cancer. Cancer Sci. 113: 1057-1068. 2022 PMID: 34962023
6.
Takahashi S, et al. Phase II study of biweekly cetuximab plus mFOLFOX6 or mFOLFIRI as second-line treatment for metastatic colorectal cancer and exploratory analysis of associations between DNA methylation status and the efficacy of the anti-EGFR antibody: T-CORE1201. J Gastrointest Oncol;14(2):676-691. 2023 PMID: 37201044
7.
Ouchi K, et al. Genome‑wide DNA methylation status is a predictor of the efficacy of anti‑EGFR antibodies in the second‑line treatment of metastatic colorectal cancer: Translational research of the EPIC trial. International Journal of Colorectal Disease 39:89 2024 PMID: 38862615
8.
Ouchi K, et al. Genome-wide DNA methylation status as a biomarker for clinical outcomes of first-line treatment in patients with RAS wild-type metastatic colorectal cancer: JACCRO CC-13AR. ESMO Open. May 6;10(5):105076. 2025 PMID: 40334314.

株式会社理研ジェネシスについて:
理研ジェネシスは、最先端の遺伝子解析技術やバイオインフォマティクスを活用した遺伝子受託解析サービスや製品を提供し、個別化医療における技術・経験・ノウハウを保有する数少ない日本企業の一つです。
2007年、凸版印刷株式会社(以下「凸版印刷」、現TOPPANホールディングス株式会社)、国立研究開発法人理化学研究所(以下「理化学研究所」)および株式会社理研ベンチャーキャピタルの共同で、個別化医療における理化学研究所の最先端研究成果を広く社会に展開し医療現場における実用化を促進することを目指し設立されました。2014年、凸版印刷およびシスメックス株式会社(以下「シスメックス」)が、個別化医療における遺伝子検査事業の発展のため、相互に協力していくことに合意し、それぞれ理研ジェネシスに出資。
さらに 2016 年、ゲノム医療の臨床実装の実現に向けて、シスメックスの子会社となりました。詳しくは、弊社ウェブサイト(

https://www.rikengenesis.jp/

)をご覧ください。

「AmoyDx(R)肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」の製造販売承認事項一部変更申請に関するお知らせ
2025年02月06月 15時
「AmoyDx(R)肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」の製造販売承認事項一部変更申請に関するお知らせ
― ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対するローブレナ錠のコンパニオン診断薬として適応追加の一部変更申請 ―




株式会社理研ジェネシス

(本社:東京都品川区、代表取締役社長:岩壁賢治、以下「理研ジェネシス」)は、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「ローブレナ(R)錠25mg及び同錠100mg」(一般名:ロルラチニブ、製造販売元:

ファイザー株式会社

)の
ALK
融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対するコンパニオン診断薬※1として、体外診断用医薬品「

AmoyDx(R)肺癌マルチ遺伝子PCRパネル

」(以下「本製品」)の製造販売承認事項一部変更申請を厚生労働省に行いましたことをお知らせいたします。
今後、ロルラチニブのコンパニオン診断薬としての追加承認が得られることで、
ALK
融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者への治療機会拡大に貢献することが期待されます。
本製品は、非小細胞肺癌の7種のドライバー遺伝子(
EGFR、ALK、ROS1、BRAF、MET、KRAS、RET
)をカバーする、リアルタイムPCR法を原理とした体外診断用医薬品です。
7種のドライバー遺伝子のマルチプレックス検査として、
EGFR
遺伝子変異、
ALK
融合遺伝子、
ROS1
融合遺伝子、
BRAF
遺伝子変異(V600E)、
MET
遺伝子エクソン14スキッピング変異、
KRAS
遺伝子変異(G12C)、
RET
融合遺伝子を一回の測定で同時に検査が可能であり、現在16種の抗悪性腫瘍剤の適応判定の補助として承認されています。
【注釈】
※1  コンパニオン診断薬(Companion Diagnostics: CDx)
医薬品の効果や投与量を投薬前に予測するため、個人の遺伝子情報やバイオマーカーを調べる体外診断用医薬品のこと。使用により、最適な治療法や医薬品の選択が可能となる。
製品概要(2025年1月現在)



株式会社理研ジェネシスについて:
理研ジェネシスは、最先端の遺伝子解析技術やバイオインフォマティクスを活用した遺伝子受託解析サービスや製品を提供し、個別化医療における技術・経験・ノウハウを保有する数少ない日本企業の一つです。
2007年、凸版印刷株式会社(以下「凸版印刷」、現TOPPANホールディングス株式会社)、国立研究開発法人理化学研究所(以下「理化学研究所」)および株式会社理研ベンチャーキャピタルの共同で、個別化医療における理化学研究所の最先端研究成果を広く社会に展開し医療現場における実用化を促進することを目指し設立されました。2014年、凸版印刷およびシスメックス株式会社(以下「シスメックス」)が、個別化医療における遺伝子検査事業の発展のため、相互に協力していくことに合意し、それぞれ理研ジェネシスに出資。
さらに 2016 年、ゲノム医療の臨床実装の実現に向けて、シスメックスの子会社となりました。詳しくは、以下の弊社

ウェブサイト

をご覧ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本件に関するお問合せ先:
株式会社理研ジェネシス マーケティング部
Eメール:info2@rikengenesis.jp
電話番号:03-5759-6042
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

理研ジェネシス×富士フイルム和光純薬の新たな業務提携のお知らせ
2025年02月05月 15時
理研ジェネシス×富士フイルム和光純薬の新たな業務提携のお知らせ
―高感度プロテオミクス解析「 Olink(TM)」網羅的探索から臨床応用までワンストップで提供が可能に―

株式会社理研ジェネシス

(本社:東京都品川区、代表取締役社長:岩壁 賢治、以下「理研ジェネシス」)は、

オーリンクプロテオミクス株式会社

の高感度プロテオーム解析「Olink(TM)*1」のワンストップサービスの提供を目的に、

富士フイルム和光純薬株式会社

(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:吉田 光一、以下「富士フイルム和光純薬」)と業務提携しましたことをお知らせします。
両社がそれぞれ展開するOlinkプラットフォームを利用し、スクリーニングから詳細解析まで、プロテオーム解析サービスをワンストップで提供します。さらに理研ジェネシスによる高度なバイオインフォマティクス解析を両社のOlinkプラットフォーム解析サービスに組み合わせることで、バイオマーカー*2の開発プロセスを強力にサポートします。本提携は、精密医療のさらなる革新に貢献します。



■背景
同じ疾患でも治療効果や副作用に個人差があることから、患者ごとの体質や病状に応じた精密医療が求められている中で、治療効果や安全性を評価するためにバイオマーカーを探索する研究が活発に行われています。オーリンクプロテオミクス株式会社が提供するOlinkは、抗体と核酸プローブを組み合わせた高感度なタンパク質検出技術であるProximity Extension Assay(PEA)法を採用することで、わずかな血液サンプルからバイオマーカー候補となり得るタンパク質を定量することが可能です。
Olinkのプラットフォームは、大きく二つの用途に対応しています。網羅的な探索として、次世代シーケンサー(NGS*3)対応のOlink Explore HTおよびOlink Explore 3072シリーズ、特定のタンパク質に焦点を当てた解析として、定量PCR(qPCR*4)対応のOlink Target、Olink Flex、Olink Focusシリーズです。Olinkはこれらのプラットフォームを一貫して使用することでバイオマーカー研究を支援していますが、これらは国内の別々のサービスプロバイダーにより提供されており、Olinkのプラットフォームを活用したバイオマーカー研究をシームレスに進めることが難しい状況にありました。
今回の業務提携により、理研ジェネシスが提供するOlink Explore HT、Olink Explore 3072、およびOlinkデータを使用したバイオインフォマティクス解析と、富士フイルム和光純薬が提供するOlink Target、Olink Flex、Olink Focusをワンストップに提供することが可能になります。
今後、理研ジェネシスの特徴である精密医療の実現に寄与する診断薬開発サービスや、富士フイルム和光純薬が有する試薬開発や医薬品製造サービスの活用を視野に入れ、バイオマーカー探索から臨床応用までのプロセスを強力にサポートします。
■業務提携の特長
1.グローバルで豊富な解析実績を有するOlinkのワンストップサービス
オーリンクプロテオミクス社のOlinkを使用した網羅的タンパク質定量解析は、イムノアッセイ*5とNGSまたはqPCRを組み合わせた、高マルチプレックス*6と極めて高い特異性を両立させた解析ソリューションです。この技術は、微量検体から数種類~5,400種類のタンパク質を同時解析できるため、創薬ターゲットの探索、臨床試験における患者層別化、市販後の臨床研究におけるバイオマーカー探索など、さまざまな医薬品開発フェーズで活用されています。
2.製薬会社や医療研究機関における利用実績
Olinkは、国内外の主要な製薬会社や医療研究機関でリスク因子探索などに活用されています。特にOlink Exploreは、UKバイオバンク*7で5万人以上の解析実績を持ち、日本でもバイオバンク・ジャパン(BBJ)や新型コロナウイルス感染症の研究で採用されています。
3.バイオマーカー同定のための高度なバイオインフォマティクス解析
理研ジェネシスはオーリンクプロテオミクス社が提供する統計解析を受託サービスとして提供しています。より高度な解析に適した

AIによるデータ解析メニュー

も取り揃え、Olinkの様々なニーズに対応したデータ解析がご提案できます。
※記載の会社名および製品名は、弊社または各社の商標または登録商標です。
※株式会社理研ジェネシスのOlink受託解析についての詳細は弊社サービスページ(

https://www.rikengenesis.jp/placement/olink.html

)からご覧いただけます。
【注釈】
*1 Olink:オーリンクプロテオミクス株式会社(本社:スウェーデン)の網羅的タンパク
質定量解析プラットフォーム。
*2バイオマーカー:病気の診断、治療の効果や医薬品の効果が反映される生理学的指標。
*3 NGS:DNAの塩基配列を高速かつ大量に解析することができる技術。
*4 qPCR:DNAを特異的に増幅し、その量をリアルタイムで高感度かつ正確に測定する技
術。
*5 イムノアッセイ:抗原と抗体の特異的な結合を利用し、特定の物質(抗原または抗体)を検出・定量する分析法。
*6 マルチプレックス:複数の生体分子を同時に測定する技術。
*7 UKバイオバンク:50万人の英国人参加者から得られた、匿名化された遺伝子情報、生
活習慣・健康情報、生物学的サンプルを収めた大規模な生物医学データベースおよび研
究リソース。
■サービスに関するお問い合わせ先
株式会社理研ジェネシス 営業部
Eメール:info2@rikengenesis.jp
電話番号:03-5759-6042
お問い合わせ窓口URL:

https://www.rikengenesis.jp/contactlist.html

「OncoGuide(TM) EpiLight(TM)メチル化検出キット」の国内製造販売承認取得に関するお知らせ
2024年06月26月 15時
~結腸・直腸がんにおける適切な治療方針の選択に貢献~ 株式会社理研ジェネシス(本社:東京都品川区、代表取締役社長:岩壁 賢治)は、2024年6月21日付で、東北大学病院腫瘍内科の石岡千加史客員教授(学術研究員)、大内康太助教らとの共同の成果により、体外診断用医薬品「OncoGuide(TM) EpiLight(TM)メチル化検出キット」(以下、「本製品」と略記)の国内における製造販売承認を取得しましたので、お知らせいたします。
 本製品は、東北大学との共同研究により開発した、がん組織のDNAメチル化※1状態を検出することで、結腸・直腸癌における治療薬の選択の補助に用いることができる、リアルタイムPCR法を原理とした世界で最初の体外診断用医薬品です。



 検体から抽出したDNAをバイサルファイト変換処理※2し、ゲノムワイドなDNAメチル化状態を反映する16領域のDNAメチル化状態を検出することで、高メチル(High methylated colorectal cancer;HMCC)または低メチル(Low methylated colorectal cancer;LMCC)を判定します。
 臨床性能試験(臨床試験登録番号:UMIN000041205)の結果、抗EGFR抗体薬※3の効果について、LMCCはHMCCと比較して無増悪生存期間(Progression Free Survival;PFS)および全生存期間(Overall Survival;OS)が統計学的に有意に良好であることが報告されています。



 理研ジェネシスおよび東北大学は、新たながん診断法を一日も早く患者さんにお届けすることで、精密医療の拡大を推進していきます。
【謝辞】
 本研究は、共同研究を行う東北大学が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)次世代がん医療創生研究事業「大腸がんに対する抗EGFR抗体薬の効果を予測する新規バイオマーカー・DNAメチル化状態診断キットの開発(課題管理番号:20cm0106411h0004)」(研究代表者 石岡千加史)の助成を得て、東北大学病院臨床研究推進センター(CRIETO)支援 のもと進行再発結腸・直腸癌を対象とする臨床性能試験(臨床試験登録番号:UMIN000041205)を実施しました。
【注釈】
※1 DNAメチル化
 DNAメチル化は、DNMTs(DNA methyltransferase)による、5'-シトシンへのメチル基の付加によって引き起こされる化学的修飾であり、CpG(CGジヌクレオチド配列)領域に作用する。腫瘍組織におけるDNAメチル化は、主に遺伝子のプロモーター領域のCpGアイランドに生じ、転写を負に抑制することで遺伝子の発現を抑制させると考えられている。
※2 バイサルファイト変換処理
 バイサルファイト(亜硫酸水素塩)処理により、DNA中のメチル化されていないシトシンが脱アミノ化されてウラシルに変換されるのに対し、メチル化シトシンは変換されないため、本処理により、メチル化シトシンと非メチル化シトシンの区別が可能。目的のDNA領域をPCR法で増幅する際、ウラシルはチミンに、メチル化シトシンはシトシンとして増幅される。この過程により、1塩基単位の分解能でDNAメチル化状態を解析することが可能となるため、病気の診断や治療法の開発、細胞生物学的研究において非常に重要なツールとなっている。
※3 抗EGFR抗体薬
 抗EGFR抗体薬は、がん治療に用いられる分子標的治療薬の一種である。この薬剤は、がん細胞の増殖に関与する上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor;EGFR)に結合し、下流へのシグナル伝達を阻害することで抗腫瘍効果を示す。抗EGFR抗体薬は、従来の化学療法とは異なるメカニズムで作用し、がん治療において新たな選択肢を提供する。
【論文情報】
タイトル:A modified MethyLight assay predicts the clinical outcomes of anti-epidermal growth factor receptor treatment in metastatic colorectal cancer
著者:Ouchi K, Takahashi S, Okita A, Sakamoto Y, Muto O, Amagai K, Okada T, Ohori H, Shinozaki E, Ishioka C*
(大内康太、高橋信、沖田啓、坂本康寛、武藤理、天貝賢二、岡田恭穂、大堀久詔、篠崎英司、石岡千加史)
*責任著者:東北大学病院腫瘍内科 客員教授(学術研究員)石岡千加史
掲載誌:Cancer Science. 2022;113: 1057-1068.
DOI:10.1111/cas.15252
タイトル:DNA methylation status as a biomarker of antiepidermal growth factor receptor treatment for metastatic colorectal cancer
著者:Ouchi K, Takahashi S, Yamada Y, Tsuji S, Tatsuno K , Takahashi H, Takahashi N, Takahashi M, Shimodaira H, Aburatani H, Ishioka C*
(大内康太、高橋信、山田康秀、辻真吾、辰野健二、高橋秀和、高橋直樹、高橋雅信、下平秀樹、油谷浩幸、石岡千加史)
*責任著者:東北大学病院腫瘍内科 客員教授(学術研究員) 石岡千加史
掲載誌:Cancer Science. 2015; 106:1722-1729.
DOI:10.1111/cas.12827